彼女

2007年1月12日
☆2年前のある。顔見知りの人の話です。


割と保守的な会社のお局的存在だった彼女。
その年のある新卒の新入社員の女の子が気に入らない。

その会社はその年から所謂一般職の応募を停止し、
その年の新卒から、事務職の子でも総合職扱いでの入社となった。

「なんで仕事もできない新卒の社員の女が総合職で、私が一般職のワケ?」

そんな気持ちが言動に出てしまっていたのだろう。
その人はその新入社員さんにこういう風に話しかけていた。

「じゃあ、これを、「総合職サマ」にやってもらおうかな???」
「解らない?じゃあ、解るまで考えてて♪」
「えー、これでワードできるなんかいっちゃうのお?!」

その言い方はエスカレートしていき、傍で聞いててさすがにそれはどうよと思うようになった。
さすがに、私たちは気持ちは解るがそれは30前の人間が言うことじゃないだろうと思い、
「気持ちは解るけどさ、そういう言い方は止めた方がいいよ・・・。」
「思っててもさ、出しちゃ駄目だよ・・・・。自分が損するよ。」とやんわりと遠まわしに言ってみた。

でも、彼女は聞かなかった。

ある日、いつもの彼女のその言動で(いや、もしかしたらエスカレートしてたかもしれない。)ワッと新入社員ちゃんは泣き出し、どこかに行ってしまった。

「けっ、泣いてんじゃねえよ。常識ないなあ。全く、あれで総合職だもんねえ。」

そういう彼女。

しかし。

泣いた新入社員さんはどこにいったのだろうか?



次の日、彼女は、朝一番に。

人事部に呼ばれた。

「ごめんね、まあ、座って。」

人事部長は彼女に椅子をすすめた。

「実はXXさん(新卒新入社員さん)から相談を受けてね・・・・・。
私としては事実を確認しなきゃいけないんだ。ちょっと話を聞かせてもらえるかな?」

一瞬、何が起こったか解らなくなる彼女。
勿論、「いじめてなんかいない。」と必死に弁明した。

いじめてなんかないです!注意しただけなんです!!

勿論、いきなりクビになるはずも減給になるはずもなく、おだやかな
「厳重注意」で終わった。

だが、社内にうわさは駆け回る。

「いい年してなにやってんだか。」
「こえー。」

彼女が思いをよせていた営業部の男性も彼女を蔑んで見る。

会社をクビになったわけでも、減給になったわけでもない。
でも、彼女は行き場をなくしてしまっていた。

自分の感じたストレスをその新入社員さんにぶつけたことによって。
彼女は8年間働いたその職場で自分の居場所を無くした。

どこで彼女は間違ったんだろうか。
あれから2年経つ。

彼女はもうこのことを忘れているのだろうか。

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